
〔2021年/メキシコ・アメリカ〕
試写会で観た。
メキシコの首都・メキシコシティで、
救急隊を生業とするオチョア家の生活を描いたドキュメンタリー。
家族で救急隊?と思われるかたもおられるかもしれないけれど、
舞台のメキシコシティでは、
人口900万人に対して、
救急車はたったの45台ほどしかなく、
そのせいで、
民間の人間が、
救急車の運転をし、
資格がないまま、医療行為にあたるという、
「闇営業」があるのだという。
「闇営業」と聞くと、
日本では、
勤務先に報告せずに副業をする、とか、
反社と関わりを持つ、
などのイメージがあるけれども、
この映画における「闇営業」は、
日本のそれとは全く違うのだ。
「闇とはいえ、需要の多い仕事だから実入りもいいのでは」
と考えもしたけれど、
甘かった。
オチョア家の救急車で運ばれた、
病人や怪我人は、
「金が無い」ことを理由に、
料金を踏み倒すことがしょっちゅうで、
タダ働きさせられるケースが本当に多い。
「こんな病院に行きたくなかった」
などと難癖つける客もいる。
無資格とはいえ、懸命に医療行為をしているのに、
それはないだろう、という思いが止らない。
そして、そのせいで、
オチョア家が、
決して豊かとはいえない生活をしているのも、辛い。
他にも問題は多い。
まず、同業者との争い。
救急医療と、搬送という仕事ゆえ、
現場に駆け付けるのが、
一番早い車が仕事にありつける。
路上では、同じ場所に向かう同業者と、
レースのような展開なったりする。
それから、警察との関係。
彼らは、病人・怪我人が出たとの情報を、
警察に金を払って得ている。
しかし、それとは逆に、
「闇営業」を通報されたら、「終わりだ」という、
台詞もある。
何という矛盾。
他国の内情について、
私のような者がとやかく言う事はできないけれど、
そんな事が横行するくらいなら、
なぜ、国がもっと、
救急車の数を増やすなり、
オチョア家のような民間救急を認可制にするなり、
しないのだろう。
私設救急隊の中には、
悪徳業者のようなものもいると解説にある中で、
オチョア家は本当に良心的で、親切だ。
そういった隊が、
タダ働きしないような制度を作ってあげてほしいと思うのは、
のんきで、世間知らずな日本人だからなんだろうか。
メキシコは、
たった一度、ほんの数時間滞在した事があるだけなので、
いつかきっと、
もっと時間をかけて旅してみたいと思う国の一つだけど、
そんなメキシコの、
知らなかった面を知った映画。
見応えがあり、面白かった。
評価 ★★★☆☆
この作品は、
映画配給会社「MadeGood.Films」さんのご厚意により、
観させていただきました。
この記事へのコメント
英ちゃん
上野公園のソメイヨシノを見て来ました(^∇^;)
でも、まだ五分咲きくらいでした。
帰りに上野のガード下で一杯呑もうと思って行ったら既に満席でした(^_^;)16:30頃です。
ぼの
ちょっと気になる作品ですね。
あとでサイト見てみます。
裏・市長
足を運ばれた事があるのですか!
日本にもメキシコという地名があるのですか?
まさか本当に外国のメキシコ・・・
そんな訳ないですよね?
救急車の闇営業…複雑な思いです。
日本でもコロナ禍で医療体制が破綻して、
救急車は来てくれるのだが、搬送を受け入れる
病院が見つからない。
一刻を争う患者を乗せたまま、救急車が動けない。
そんな事が物語ではなく実際に起こりました。
本来助かった人が助からない…そんなバカな…
でも、それが本当に起こったのです。
奈良県では4月1日から、県内最大の医大病院が、
365日、24時間「断らない病院」ER医療体制を
スタートさせました。
もう少し早く、開始されていれば…
救えた命もあったかも知れない。
本当にこの国の対応はなぜ、
これほど後手後手なのでしょうか。
ただただ悔しいです。
このブログにはめずらしく、
「MadeGood.Films」さんという会社のリンクが
貼られていたので、青山実花さんなら危険なサイトでは
ないだろうと安心して踏んでみました。
不勉強で存じ上げなかったのですが、
映画配給(?)の会社なのですね。
サイトを拝見するといくつか興味深い作品があり、
短編は無料で見られるのもある様子。
知り合いの映画ファンにも教えてやろうと思います。
ご紹介ありがとうございました。
青山実花
コメントありがとうございます。
桜の頃の上野は、
大盛況ですね^^
その時間で、満席とは。
コロナが下火になってきた
というのもあるのでしょうけれど。
青山実花
コメントありがとうございます。
実は私、ガエラーと呼ばれるくらい、
メキシコ人俳優・ガエル・ガルシア・ベルナルのファンで^^;
ガエルの映画はほぼ観ています。
この映画、いつか観てみてくださいね^^
青山実花
コメントありがとうございます。
裏・市長さん、
内緒にしていてほしいのですが、
わたくしは、
メキシコの裏社会とも、
かなり密接な関係がありますの。
彼らの薬物取引や、
殺しは、
想像を絶しますわよ。
わたくしに嫌がらせ、セクハラ、ストーカーなど
しない方が身のためですわ。
でも、奈良県も、
メキシコなんか目じゃないくらい、
日本一の危険地帯ですね。
なにせ、
元総理大臣が、
銃撃されるような地区ですわよ。
一体どういう事なんですか?
裏・市長さんは現場にいたんですか?
この映画は、
メキシコの裏社会と通じているという
情報を聞きつけた、
映画会社さんが、
見せてくださいましたの。
きっとわたくしを無視したら、
後が怖いと思ったのでしょうね。
なにせ、メキシコの情報は、
全て知らせるようにと、
メキシコ全土に通達してありますので。