「悶え」

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〔1964年/日本〕


五井物産調査課長の上田庄一郎(高橋昌也)と
結婚式を挙げた千江子(若尾文子)は、
新婚旅行の夜、
庄一郎が、自分に触れようとしないことを不審に思う。


次の夜も、それは同じで、
思い切って庄一郎に理由を尋ねると、
数年前の交通事故により、
性的不能になっていると聞かされる。


そんな旅行先で、
千江子は、高校時代の同級生・沢木みつ子(江波杏子)と
偶然再会し、
みつ子の男友達・石川定夫(川津祐介)を紹介される。


東京に戻っても、
庄一郎の具合は良くなる兆しが見えず、
千江子は思い悩むが、
そんな中、みつ子が千江子を誘い出し・・・。





これよ、これ。
これぞ、
「ザ・若尾文子映画」よ。
若尾さんは、こういう役をさせたら、
日本一よ。
いや、世界一といってもいいと思う。


なんたって、タイトルからして「悶え」よ。
若尾さんが悶えちゃうのよ。
これに期待せずして、何に期待しよう(笑)。


といっても、
若尾さんは、結婚まで清らかな娘だったようで、
夫が不能だと知っても、
そこまで、体がどう、というわけではないように
私には感じられた。


それより、「本物」の夫婦になれないという、
心の不安定さが気の毒だ。
おそらく、女性なら、この感じ分かっていただける気がする。


しかも、夫は、
「子供が欲しい。人工授精してくれ」と言い出す。
真剣に観るのも馬鹿馬鹿しいけど、
子供ってものを、何だと思っているのか。
夫婦の絆を強くするため、って、あんた、
そんな状況で、
作られた子どもはたまらない。
子供はそんな事のための、道具じゃない。


しかも、夫が頼っているのが、
変な民間療法のおっさん。
すごく気持ち悪い。
若尾さんは、人工授精するために、
このおっさんの家に行かされて、
変な注射を打たれそうになる。
ひゃ~、やめて~、と思っていたら、
若尾さんも危機を感じたらしく、
寸でのところで、逃げ出した。


そんな若尾さんを取り巻く、
江波杏子さん、
川津祐介さん、
藤間紫さんなどが、
なんだか少しずつ変な人たちで(笑)。
それも「若尾文子映画」にはよくある事なんだけど。


でも、一番の問題は、この夫よね。
自分の体に問題があるのなら、
結婚しなければ良かったのでは。


若尾さんとは、
雰囲気的に、大恋愛の末の結婚、という風でもないし、
どちらかといえば、お見合い風。
自分の体の事は、
自分が一番良く知っているのだから、
独身を通していれば、
映画のような騒動は起こらなかったと思う。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
若尾文子さんの出演映画、163本中137本を観た事となりました。


(★は観た作品)


★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
★座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
 処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
★悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
★女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
★八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
 素敵な野郎(1961)
 鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
★実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
 花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
 妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
 続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
 銀河の都 (1957)
 君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
 スタジオは大騒ぎ (1956)
★あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
 薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
 七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
 娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
 幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
 勝敗(1954)
 荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
 緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
 慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
★十代の誘惑 (1953)
 無法者 (1953)
★続続十代の性典 (1953)
 春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
★続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
 怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
 街の小天狗 (1952)
 秘密 (1952)
★明日は日曜日 (1952)
★花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
★猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
 娘初恋ヤットン節(1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
 生き残った弁天様(1952)

この記事へのコメント

  • kousaku

    新年あけましておめでとうございます、昨年に変わりませずのお付き合い宜しくお願い致します。
    2021年01月04日 13:09
  • 英ちゃん

    新年早々「悶え」とはね(^▽^;)
    2021年01月04日 16:57
  • きよたん

    悶え 見たのですね
    次は処女受胎?かな
    随分たくさん見ていますね すごいです。
    2021年01月04日 17:36
  • こういち3

    明けましておめでとうございます
    今年もよろしくお願い致します
    良い年になりますように(^^)
    2021年01月04日 21:56
  • 青山実花

    kousakuさん
    コメントありがとうございます。

    明けましておめでとうございます。
    こちらこそ、
    今年もよろしくお願いいたします
    2021年01月04日 22:13
  • 青山実花

    英ちゃんさん
    コメントありがとうございます。

    あはは^^
    大好きな若尾文子さまなので、
    私にとっては縁起物なのです^^
    2021年01月04日 22:14
  • 青山実花

    きよたんさん
    コメントありがとうございます。

    きゃー☆
    きよたんさん、すごい!
    本当に明日は「処女受胎」ですよ^^
    2021年01月04日 22:16
  • 青山実花

    こういち3さん
    コメントありがとうございます。

    明けましておめでとうございます。
    こちらこそ、
    今年もよろしくお願いいたします。
    2021年01月04日 22:16
  • チヨル(たろう)

    あけましておめでとうございます!
    本年も宜しくお願い致します(^^)
    2021年01月05日 06:30
  • 向日葵

    明けましておめでとうございます。
    今年も宜しくお願い致します。

    今頃ですが、シャンシャン、返還が伸びて良かった
    ですねぇ~ぇ。。
    2021年01月05日 08:07
  • Rinko

    遅ればせながら・・・あけましておめでとうございます!
    今年もどうぞよろしくお願いいたします(^。^)

    青山実花さんの日々のブログを今年もまた楽しみにしています♪
    2021年01月05日 08:33
  • 拳客の奥様

    あけましておめでとうございます
    今年もお付き合い宜しくお願いします。
    随分と昔に、TVで観ていると思う?江波杏子様が出てたから!
    もろ肌脱がなくても?色気あるしね!クールビューティー万歳。
    若尾様は、なんと言ってもあのポッテリに見せる唇?
    タイトルで見ちゃう人いたのかもね~^ - ^
    2021年01月05日 10:52
  • tommy88

    明けてまして仕事が始まって牛歩で猛進。
    1964年ころというのは不思議な映画を作っていました。
    悶絶、女体、直球タイトルが多かったように思います。
    現在のAVにも使えるタイトル。
    この時代の凄い映画と言えばマタンゴ。
    この響きが子ども心に突き刺さりました。
    ポスターも怖かったし、マタンゴ。
    若尾文子さんも見てました。
    やたら処女の付くタイトルが多かったように思います。
    直球勝負の時代だったかもしれません。
    銀幕の中ではモクモク煙草の煙で満員御礼。
    かなりきわどいシーンもあって、ドキドキして見た子ども時代。
    すべて今は昔。
    2021年01月05日 11:25
  • 青山実花

    チヨル(たろう)さん
    コメントありがとうございます。

    返信が遅くなってごめんなさい。
    こちらこそ、
    今年もよろしくお願いいたします。
    2021年01月08日 22:09
  • 青山実花

    向日葵さん
    コメントありがとうございます。

    年始で仕事が忙しくて、
    こんなタイミングになってすみません。
    今年もよろしくお願いいたします。

    コロナが流行ると、シャンシャンの返還が延び、
    コロナがおさまると、返還が近づく・・・
    もう、どうすりゃいいのって感じです。
    2021年01月08日 22:09
  • 青山実花

    Rinkoさん
    コメントありがとうございます。

    私の方がずっと遅くなってしまいました。
    間抜けなタイミングでごめんなさい。
    今年もよろしくお願いいたします。

    私もRinkoさんのブログと
    娘さんたちの成長が楽しみです^^
    2021年01月08日 22:10
  • 青山実花

    拳客の奥様さん
    今年もよろしくお願いいたします。

    今頃になってのお返事ですみません。
    今年もよろしくお願いいたします。

    「悶え」がテレビ放送されていたのですか!
    凄いです。
    江波杏子さん、確かにクールで素敵ですね^^
    若尾文子さんは、こういったトンデモ映画の
    出演作が大好きです^^
    2021年01月08日 22:10
  • 青山実花

    tommy88さん
    コメントありがとうございます。

    明けましておめでとうございます。
    1960年前後の大映の映画は最高ですね。
    大映は、平気で女優に汚れ役をさせたところが
    素晴らしいです。
    谷崎潤一郎的な。

    それに引き換え日活は、
    石坂洋次郎的ですね。
    吉永小百合さんがいまだに
    あんな感じなのも、そのせいかと思います。
    2021年01月08日 22:10
  • 裏・市長

    「悶え」について、青山実花さんが
    悶えるほど延々と感想を書いてやろうかと
    思いましたが、あなた、やり方がひどいですね。

    私にお年玉をくれないつもりですね!。
    正月の間中、コメント欄が閉じられていましたよ。

    お正月に挨拶に行くともらえるのがお年玉。
    つまり、私に挨拶をさせないおつもりですね。

    まさか1月も11日になってから、新年の挨拶を
    するやつもいないと高を括っておられるようですが、
    甘いですよ。世の中舐めてますよ。

    世間はあなたの常識で動いている訳ではありません。
    むしろ、あなたの常識の範囲を越えた思考の方の
    ほうが多いかも知れません。

    今、高らかに私は新年の挨拶をあなたにしましょう!。

    「新年…あてまして…おめれとうごらいます!!」。

    さぁ、出すものは出しなさい。
    あなたが出されるまで、私は毎回でも新年の
    ご挨拶をすることでしょう。
    この事をよく覚えておくが良い。
    2021年01月11日 22:37
  • 青山実花

    裏・市長さん
    コメントありがとうございます。

    まぁ、裏・市長さん、もしかして、
    お正月にわたくしの家を訪ねてこられたのですか?

    お年玉をもらいに?
    それはそれは、申し訳ない事をいたしました。

    実はわたくし、お正月は、
    フロリダの別荘で過ごしていたものですから、
    留守にしていたのですよ。

    前もって言ってくだされば、
    自家用ジェットで、一緒に行きましたのに、残念ですわ。

    でも、裏・市長さんへのお年玉は、
    ちゃんと用意しておいたのですよ。

    いつ来られてもいいように、
    玄関の前に置いてある、
    胡蝶蘭の植木鉢の下に隠してありましたのに、
    ちゃんと探しました?
    見つけられなかったのは、
    あなたが悪いのですから、
    また来年いらしてくださいませね。
    2021年01月11日 23:37