「ビッグ・ガン」

biggun.jpg
〔1973年/イタリア〕


マフィアの構成員・アラン・ドロンは、
7歳になった息子の誕生日を祝いながら、
考え込んでいた。
「この子、そして妻の為に、足を洗いたい・・・」と。


彼は自分の決心を組織の幹部の一人・リチャード・コンテに告げる。
コンテはその話を持ち帰り、
組織の会議にかけるが、
他の幹部たちは、ドロンの足抜けを許さず、
彼を殺す事で話が決まる。


数日後、
学校に出掛ける息子と妻を、
窓から見送っていたドロンは、
信じられない光景を目にする。
妻がエンジンをかけた途端、
大爆発が起こり、車が炎上、
息子と妻は即死したのだ。


復讐を誓ったドロンは、
組織の幹部たちを、
次々と殺してゆくのだが・・・。





家族を殺されたアラン・ドロンが、
マフィアの幹部たちに復讐してゆくのだけれど、
その手口がとても鮮やかで、
モタつきがないので、
安心して(?)観ていられる。


それより何より、
復讐のきっかけとなった、
妻と息子の死のシーンがショック。


「そうなるだろうな」という予感はあったものの、
実際、自分の目の前で、
最愛の家族の乗った車が爆発炎上したら、
気が狂いそうになるだろう。
その直前、ドロンは、
子供にキスをし、
幸せを噛みしめたばかりなので、
観る者は余計に、禍福の差の大きさを感じる。
上手い演出だと思う。


ドロンの復讐も鮮やかだけど、
マフィアの手口も容赦ない。


彼らは、
ドロンに情報を流してくれていた、
幹部の愛人・カルラ・グラヴィーナに、
ドロンの居場所を吐かせるために、
壮絶な暴行を加える。


女相手にそこまで?というくらい、
それは激しい暴力で、
マフィアの恐ろしさを描くには
十分な場面で。


ラストもショック。
あーあ、って感じで。


今、裏社会に入ろうかどうしようか迷っている人に言いたい。
一度入ったら、組織は抜け出せないよ。
抜け出そうとしたら、
どんな恐ろしい事が待っているか分からないよ。
後悔しても遅いよ。
いつか生まれるかもしれない自分の子供の為にも、
迷ってるならやめた方がいいよ。


・・・って、こんな所で、こんな女が呼びかけたって、
世の中には1ミリの影響もないだろうけどさ(笑)。


評価 ★★★☆☆

この記事へのコメント

  • 薔薇少女

    >・・・って、こんな所で、こんな女が呼びかけたって、
    世の中には1ミリの影響もないだろうけどさ

    実花さんの文章は解り易くて、共感出来ることだらけ、
    私にとっては100万ミリ以上影響を受けてますよ!
    心が潤う素敵なブログです。
    2015年07月12日 15:33
  • tamanossimo

    やめることにします…。
    2015年07月12日 21:56
  • 青山実花

    薔薇少女さん
    コメントありがとうございます。

    そんなそんな、
    私のような者が薔薇少女さんに
    影響を与えているだなんて、
    もう申し訳なくて、隠れたいような心境ですよ^^;
    薔薇少女さんのブログも、
    お写真も綺麗で、とても素敵です。

    この間のオフ会の時、Rchoose19さんと、
    「薔薇少女さんも来られるといいのにね」とお話しました。
    いつか東京に来られる事がありましたら、
    30分でもお会いしたいですね。
    2015年07月13日 15:40
  • 青山実花

    tamanossimoさん
    コメントありがとうございます。

    あはははは~。
    すみません、笑ってしまいました。
    迷っていらしたのでしょうか^^
    2015年07月13日 15:43
  • 向日葵

    アラン・ドロンが一番乗っている頃、まさに「旬」だった
    頃の映画ですね。
    少しませていたワタクシは「小2」の時に、彼の
    「太陽がいっぱい」をTVで見て、一目で虜になってしまい、
    周りから「おじん趣味」とあざけられながらも
    ひたすらアラン・ドロン一筋!

    だから去年、某オフ会でお会いして、すぐに
    「アラン・ドロン」を認識して下さった実花さんに
    とても強いシンパシーを感じてしまいましたー!!

    玉石混交激しいのはいつの世も同じですが、
    この頃の彼の映画はどれを見ても「それなりに」楽しめる
    作品になっていて、「世界一の美男子」と謡われただけの
    ことはあります。
    2015年07月13日 17:52
  • 青山実花

    向日葵さん
    コメントありがとうございます。

    アラン・ドロンの旬、
    なるほど、そうかもしれませんね。
    どんなに幼くたって、女は女。
    いい男を見たら、夢中になりますよね♪
    アラン・ドロンは向日葵さんの初恋の相手みたいなものでしょうか。

    映画が好きなら、
    アラン・ドロンに反応しない人はいないです♪
    私がドロンで一番好きなのは、
    「地下室のメロディ」でしょうか。

    それにしても1973年だけでも、
    彼は5本以上の映画に出ているのですね。
    本当に人気だったのが分かります。
    「世界一の美男子」
    凄い事です。
    2015年07月17日 20:53

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