「フライト」

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〔2012年/アメリカ〕


ベテランパイロットのデンゼル・ワシントン。
今日は、オーランドからアトランタまで、
約1時間のフライトだ。


飛び立った直後から乱気流に巻き込まれるが、
ベテランならではの機転で切り抜け、
飛行機は安定する。


居眠りを始めたワシントンだったが、
機体が突然急降下をし始め、
副操縦士から起こされる。
このままでは墜落するしかない、
ギリギリの状況下で、
ワシントンは驚異的な操縦技術で、
危機を乗り越え、
被害を最小限に食い止める。


一躍、国民のヒーローとなったワシントン。
しかし、訪ねてきた弁護士・ドン・チードルから、
ある事実を聞かされる。
意識を失い、病院に担ぎ込まれた際、
行われた血液検査において、
アルコールと薬物の反応が出たと。


事故調査委員会にその事が知れれば、
終身刑は必至。
チードルは、何とかしてその事実を握り潰すと言うが、
不安でならないワシントン。
公聴会の前日、
ホテルに缶詰めにされたワシントンだったが・・・。





映画を観ていると、
主人公がどんなに悪人でも、
主役である以上、肩入れして観てしまう場合が多いけれども、
これはどうにも、
デンゼル・ワシントンを応援する気にはなれずにいた。


飛行機が飛び立つ直前、
彼がジュースにウォッカを混ぜて飲んでいる事を、
映画を観る者は知っている。
飛行機なんか、そうしょっちゅう乗るわけではないけれど、
こんなパイロットが本当にいたら、
不安でたまらない。


どんな事でも、慣れって恐ろしい。
彼は自分の飛行技術を過信しているように見える。
「酒を飲んでいたって、操縦なんか簡単に出来るさ」みたいな。
飲酒と過信がダブルで来られたら、
そりゃあ、本人にとっては、怖い物無しなんだろうけど、
そのしわ寄せは、周囲の人間に来るって事を
知ってほしいものだわ。


しっかし、
彼の飲酒はともかくも、
「背面飛行」というのが凄い!
初めて聞いた言葉だよ。
機体の上下が完全に逆さまになって飛ぶなんて、
管制塔の人も、驚いていたような。
まぁ、戦闘機だったらありそうだけど、
旅客機で自分があんな目に遭ったら、
恐怖で気絶してしまいそうだ。


ワシントンの葛藤が上手く描かれた、
面白い映画だと思う。
それから、実は彼はとても孤独な人間だという事も、
全体を通して分かってくる。
ラストもいい。


評価 ★★★★☆

この記事へのコメント

  • 原みつる

    もう少し飛行機のところが長かったらよかったのになぁ~
    ちょっとがっかりですけど。 パニック映画でもなく 裁判の映画でもなく
    ですよね^^;
    アルコール中毒ってのはありえないんじゃないんですかね?
    2013年03月04日 18:43
  • 青山実花

    原みつるさん
    コメントありがとうございます。

    そうですね、
    もう少しフライト中の危機みたいなものが、
    長い時間描かれていたら、
    気分も高まったでしょうね。

    パイロットのアルコール依存症って、
    信じられませんよね。
    人の命を預かっているのですから。

    そうそう、「スマスマ」にデンゼル・ワシントンが出たのは
    観られましたか?
    登場してきた瞬間、拍手しちゃいまいした(笑)。
    とても素敵な方でした♪
    2013年03月06日 12:06
  • 原みつる

    スマスマに出たんですか。知らなかったです^^;
    テレビはほとんど見ないのでよくわからないかも^^;
    2013年03月06日 19:13
  • 青山実花

    原みつるさん
    コメントありがとうございます。

    そうなんです!
    私も始まる直前に知りまして、
    慌てて録画したんです。

    私もテレビは殆ど観ないので、
    そういった情報はかなり見逃している方だと思います。
    原さんとご近所だったら、
    一緒に観られたのに、残念です~。
    2013年03月07日 17:03

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