「薔薇の葬列」

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〔1969年/日本〕  


ゲイボーイのエディ(ピーター)は、
ゲイバー「ジュネ」のナンバーワン。


エディは「ジュネ」のオーナー、権田(土屋嘉男)と関係していたが、
権田はママのレダ(小笠原修)と同棲しており、
レダはエディを憎んでいた。


エディの父親はエディが幼い頃、家族を捨てて出てゆき、
以来、母親が女手一つでエディを育ててくれたが、
ある日、母が男と情交している姿を見てしまったエディは、
母と男を刺し殺すという過去があった。


ゲイバーで働くかたわら、
新宿の街を彷徨い、
ドラッグをきめ、乱交パーティをするエディ。


エディとレダの確執は頂点に達し、
取っ組み合いの大喧嘩となる。
その場は納まったが、
エディを許せないレダは、
姑息な手段でエディを傷つけようとし、
しかしそれを権田に知られ、捨てられたため自殺する。


エディは店を手に入れ、幸せの絶頂にいたが、
権田はエディの部屋で、ある物を発見し、
再起不能なショックを受ける。
権田の見たものとは何だったのか・・・。





いきなり、男同士の性交から始まるこの映画。
ピーターはスカウトされての出演だそうだ。
そのせいか、セリフがいかにも素人臭く、
まだ、タレントという感じではない。


全く化粧をしていない、素顔のピーターが何度か出てくるのだが、
正直、とても不細工だ。
けれど、化粧をし、金髪のカツラをかぶると、
途端に増す、あの輝き。
当時16歳だったという事で、
綺麗というより、とてもキュートで可愛い。


ほんの数秒だが、化粧の過程を見せるシーンがあって、
目の周りをアイラインで真っ黒に囲ってゆく、その化粧方法は、
今のギャルメイクに踏襲されていると感じた。


ハッキリとしたストーリー性のあるドラマというより、
ドキュメンタリー色の強い映画だと感じた。
当時のゲイたちや、ヒッピーたちのドラッグ漬けの様子などが、
インタビューを交えながら、
興味深く観られる。


評価 ★★★☆☆

この記事へのコメント

  • 坊や

    ジャケのインパクト、半端なく有りますねーー!
    文面読むだけで、ゲイ、ホモの匂い、脱社会的価値観を持つ人達の、
    吐息の臭い、体温感じました。ピーター16才ですか。 きゃしゃな身体
    に、シッカリめ?の顔立ちが浮かびます。すっぴん見たいな~。
    2011年06月25日 13:33
  • coco030705

    こんばんは。
    まさにアウトローの世界ですね。ピーターって上のポスターを見ても
    今とはちょっと違う顔だなって思います。
    なんだかみるのが怖そうな映画ですが、権田が何を見たのかちょっと
    興味がありますね。
    2011年06月26日 21:20
  • 青山実花

    坊やさん

    今でこそ、ゲイやオネエのタレントさんで、
    テレビは賑わっておりますが、
    当時は、きっと生きにくかった事と思います。

    本当に、こう書くと申し訳ないのですが、
    素顔のピーターは、不細工です(笑)。
    でも、可愛い。
    不思議な人です。

    それから、ごめんなさい、
    もう一つのコメントを誤って消してしまいました。

    ちょっとだけ観られたとの事、
    あの世界を分かっていただけて嬉しいです。
    実験的な映画とでも言えばいいのでしょうか。
    2011年06月26日 23:49
  • 青山実花

    coco030705さん

    そうなのですよ、
    当時の映像は16歳というだけあって、
    まだまだ子供で、素人で、
    まだ顔が固まっていない時なんでしょうね。
    研ナオコさんとか、樹木希林さんを若くしたような感じでした(笑)。

    権田の見た物もショックだし、
    その後の展開も、もっとショックです。
    もし機会がありましたら、ご覧になって下さいね。
    2011年06月26日 23:59

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