
〔1972年/日本〕
女子刑務所の、
さらにその地下にある冷たい土の上に、
手枷足枷され、横たわる梶芽衣子。
女囚である彼女は、前作で所長の渡辺文雄の片目をつぶし、
渡辺から憎悪の対象になっていて、
もう1年間もこの地下牢に閉じ込められているのだ。
しかし、どんなに虐げられようと、いたぶられようと、
梶の眼光は変わらない。
隙あらば襲い掛かりそうな、さそりのような女である。
今回もまた、渡辺のもう片方の目をつぶそうとして失敗、
連帯責任として他の女囚たちも一緒に、
強制労働の懲罰を受ける。
女囚たちの恨みをかった梶だが、
脱獄に成功、
他に6人の女たちを引き連れて、逃亡生活が始まる。
サブタイトルは内容に全く関係がなく、
ほぼ全編、女囚たちの逃亡劇が描かれている。
内容は前作と同様、
荒唐無稽な劇画調だが、好きなんだよね、「さそり」シリーズ。
女たちの中でも、
ひときわ異彩を放つのが、白石加代子。
まるで、梶ではなく白石が主役のような大活躍。
醜い自分と梶を比較して、
梶に敵対心剥き出しで接するその態度が怖い。
それでも冷めきった目をしている梶が、
余計に彼女の神経を逆撫でさせるようで、
苛立ちは募る一方だ。
実際、この映画で、梶は二言しかセリフを発していない。
主役のセリフがたった二言っていうのも、
考えてみれば凄い映画だが、
しかし、違和感なく見せてしまうのもさらに凄い。
評価 ★★★☆☆
この記事へのコメント
k_iga
如何にも「70年代」という感じの映画みたいですね。
青山実花
内容だけで言えば、
確かに1作目の方がずっと見応えがありました。
なにせ、この2作目は、
殆ど逃亡している場面だけなので(笑)。
3作目、4作目もレンタルしてあるので、
近いうちに観てみます。
いずれも70年代臭プンプンなのでしょうが(笑)。