
〔1956年/アメリカ〕
ローダは両親に愛され、なに不自由なく育てられている8歳の少女。
礼儀正しく、可愛い子だが、
しかし、他人に負ける事を異常に悔しがり、
また、欲しいと思った物は何としても手に入れたいという欲望を持った、
どこか不気味な子でもある。
ある日、学校の遠足で、
ローダの同級生の少年が溺死するという事件が起こる。
少年の額には三日月形の傷があり、
体にも殴られたような痕があった。
さらには、少年が書き方のコンテストで優勝して手に入れたメダルが無くなっており、
コンテストで勝てなかったローダが、
そのメダルに異様に執着していた事は、誰もが知る事実だった。
教師も、少年の母親も、
ローダを疑いながらも、決定的な証拠は無く、
事が事なだけに、疑惑をハッキリと口に出すのは憚られ、
事件は宙に浮いたままだ。
しかしローダの母親は、
娘の異常な性格に気付き始め、
以前住んでいた家の近所で起こった、
老婆の死亡事件にまで、
ローダの関わりを疑い出す。
やがて疑惑は、母親自身の出生の秘密にまで遡ってゆき、
さらに、新たな事件が勃発して、
母親の精神の均衡は崩れてゆく・・・。
舞台劇の映画化は、苦手なジャンルだが、
これはとても面白かった。
犯罪者を作るのは、遺伝か環境かというのも、
普段時々考える事なので、興味深かったし。
ローダを演じるパティ・マコーマックの表情がとても怖くて、
上手いんだな。
こういった映画で、
親が子どもを溺愛し、その主張を鵜呑みするが故、
観る者をイライラさせるというパターンがあるが、
それが無かったのも、楽しめた理由の一つだろうと思う。
ローダに対して母親の取った行動は、
ああするしかないんだろうな、と思わせられたが、
それで終わりではなく、
「そうきたか!」という結末が用意されている。
詳しくは書けないが、
納得できるラストが。
評価 ★★★★☆
この記事へのコメント