「阿修羅のごとく」

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〔2003年/日本〕


昭和54年の冬。
四人姉妹の三女・滝子(深津絵里)が、
長女・綱子(大竹しのぶ)、
次女・巻子(黒木瞳)、
四女・咲子(深田恭子)に集合をかけ、
巻子の家で顔を合わせた。


滝子によると、姉妹の父親・恒太郎(仲代達也)に愛人と子供がいて、
週に2回、妾宅に通っているという。
俄かには信じられない話だったが、
滝子は既に、興信所を使って、
詳細を調べていた。


しかし、両親の事も心配だが、
姉妹には、そればかりに関わっていられない、
各々の悩みがあった・・・。





先日、Netflixで配信されたドラマ
「阿修羅のごとく」について書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.seesaa.net/article/513937560.html

そうなると、2003年に森田芳光監督で映画化された本作を
観ないでいるのは片手落ちだと思い、
すぐに観てみた。


ネトフリのドラマが、全7話・約420分なのに対して、
こちらは135分の中に、
全ての話を詰め込んであるので、
ちょっとダイジェスト版のように感じなくもない。


まぁ、それは、
テレビドラマをそのまま映画にした作品の
宿命なのだろうけれど。


四姉妹を演じる女優たちも、
それ以外の登場人物も、
もちろん全員違う人が演じているのだけれど、
比べるのはやめておこう。
その時代の人気女優を起用したのに違いないし、
それぞれに、良い面も、悪い面もある。


ところで、四姉妹の中で、
私は四女の人生を、
自分とは一番遠い生き方、
そして興味深い生き方だと思いながら見ていた。


無名のボクサーと同棲する四女は、
姉妹の中で、最も不安定な生活をしてるわけだけど、


ある瞬間から、急に羽振りが良くなる。
なんと、恋人(後に結婚)が、
チャンピオンになるのだ。


どん底の生活から、いきなり大金持ちに。
その後もまた急展開があり、
四女の人生は、
ジェットコースターのように、
上り下りを繰り返す。


私なら選ばない道を選ぶ四女の生き方。
そもそも、気の小さい私は、
突然大金が転がり込んでも、
先の先まで考えてしまって、
使わずに取っておくという、
小市民な生き方しかできないだろうし、
それ以前に、無名のボクサーと付き合おうとも思わないと思う。


私にはできない四女の生き方を、
危なっかしいと思いながらも、
大胆な選択ができるその性格を
ちょっと羨ましく思ったりもして。


評価 ★★★☆☆