
先日、11日間のお休みをいただいた際、
Netflixで、唐沢寿明版「白い巨塔」を全話再見したと書いたけれど、
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https://aomikamica.seesaa.net/article/2025-04-09.html
その時、もう1本、Netflixで全話見たドラマが、
この「阿修羅のごとく」。
1979年に、向田邦子さんの脚本で、
NHKでドラマ化された作品を、
是枝裕和監督が、リメイクしたもの。
大好きな向田邦子さん。
随筆も、小説も、全部読んでいるけれど、
リアルタイムでドラマは見た事がなく、
「寺内貫太郎一家」や「だいこんの花」、
そして、映画「あ・うん」などを、
DVDで見たくらい。
この「阿修羅のごとく」も、
シナリオは読んでいるけれど、
映像として見るのは初めてで、
休みで時間があったのはいいタイミングだった。
長女で未亡人の綱子(宮沢りえ)
二女で専業主婦の巻子(尾野真千子)
三女で図書館司書の滝子(蒼井優)
四女でボクサーと同棲している咲子(広瀬すず)
物語は、彼女たちの父親が、
小学生の子供がいるシングルマザーの
面倒を見ているという、
滝子が持ち込んだ情報により、話し合いが持たれる場面から始まる。
そんな事を母に知られてはならない。
4人の娘の子育ても終わり、
やっと平穏な日々がやってきたというのに、
父の行状で、母の心を乱すような事があってはならない。
四人の意見は一致する。
といって、
四人の仲が凄くいいのか、といえば、
決してそうではなく、
些細なことですぐに口喧嘩が始まる。
四人それぞれにも、様々な人生模様がある。
長女は、妻ある男と付き合い、別れられずにいるし、
二女は、夫(本木雅弘)の浮気の確証が掴めずにいるし、
三女は、男知らずな自分の事を、四女に揶揄される事に腹を立てているし、
四女は、浮き沈みの激しいボクサーという職業の恋人のおかげで、
人生が二転三転する。
長女・次女・三女を演じる女優たちが、
芸達者なのは当然の事として、
私は、広瀬すずってやっぱり上手いなぁと感心しながら見ていた。
この子は若いのに、媚びない。
セリフ一つにも、甘えがない。
たまに芸能ゴシップで、
性格がどうのと書かれる事があるけど、
女優に性格の良さなんて必要?(笑)
演技が上手くて、安定していれば、
警察沙汰にでもなるような事件を起こさない限り、
他に何を求める事があろう。
このドラマのシナリオを読んだのは、
私がまだとても若い頃だったけど、
四女が、ある事をして、
見知らぬ男から金を強請られる場面があった。
当時、私は、四女のした事に、
「うわー、馬鹿馬鹿! なんて事を」と思ったのだけれど、
大人になった今、その場面を見てみると、
「あぁ、本当に辛い時って、そういう事もあるかもしれないな」と、
考えが変わったことに気が付いた。
私も少しは人の心の機微が理解できるようになったという事か(笑)。